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ライナー「ポッキーゲーム?」

サシャ「隠し味なんてどうでしょう?」

114: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:10:37 ID:RwT190kE



   番外編:ライナー「ポッキーゲーム?」



・時系列的にはたぶん祭と初雪の間

・本筋とはあまり関係ないので気軽にどうぞ

115: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:11:21 ID:RwT190kE

―― 夜 消灯時間前 とある空き倉庫

ライナー「なんだそりゃ。聞いたことないな、そもそもポッキーってなんだ?」

サシャ「私もポッキーが何かは説明されてもよくわからなかったんですけどね、とにかくそういう遊びがあるらしいんですよ」

ライナー「それで、そのゲームに使うのが――」

サシャ「はい、このさつまいもスティックです!」ミョローン

ライナー「やけに長いな」

サシャ「ながーく焼いてあるので、ながーく楽しめるそうですよ。これでお値段据え置きなんですからお得ですよねー」

ライナー「そんなに長いんならお前が食ったほうがいいんじゃないか? 何もゲームに使わなくても――」

サシャ「実は私もそうしようと思ってました」ジュルリ

ライナー「思ったのか」

サシャ「というかもう既に一本つまみ食いしてきました。おいしかったです」ペロリンチョ

ライナー「よかったな」

サシャ「でもこのゲームをやると、普通に食べるよりおいしく感じられるらしいんです」


サシャ、芋

116: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:12:01 ID:RwT190kE

ライナー「……で、やりたいと」

サシャ「はい!」コクコク

ライナー「なんで相手が俺なんだ? ミカサやクリスタでもいいだろ?」

サシャ「私もそう言ったんですけどね、なんでも異性の人とやるともーっとおいしく感じられるそうなんです」

ライナー「そのゲームをお前に教えたのは誰だ?」

サシャ「ユミルです」

ライナー「……」

サシャ「眉間に皺寄せてどうしました? 頭痛いんですか? 撫でましょうか?」

ライナー「撫でなくていい。……なんだかあいつの手のひらで踊らされてる気がしてな。どうも気が進まん」

サシャ「そうですか、残念です。……ライナーが嫌なら仕方がありませんね、コニーに頼むことにします」

ライナー「よしやるぞ」

サシャ「えっ? いいんですか?」

117: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:12:38 ID:RwT190kE

ライナー「ユミルから教わったってのが気になるが、たかがゲームだしな。警戒する必要もないだろ」

サシャ「そうですか。まあ私としてはゲームができれば別になんでもいいんですけどね。というわけで三本ありますから三回勝負にしましょう。いいですか? 途中で無理に折ったり、先に口を離したほうが負けですよ?」

ライナー「おう、望むところだ。――そう簡単に勝たせてやらないからな」

サシャ「ふふふ、食べ物がかかった勝負で私が負けるとでも? ――というわけで、はいじゃあこっち咥えてください」スッ

ライナー「? ……食えばいいのか?」

サシャ「いえ、咥えるだけです。ゲームが始まったら食べてもいいですよ」

ライナー「変なゲームだな。……まあいいか」パクッ

サシャ「んー……立ったままだとちょっと位置が高すぎますね。こっちの椅子に座ってくれますか?」

ライナー「おう。これでいいか?」ドスッ

サシャ「はい、いいですよ。――じゃあいきますよー」パクッ

ライナー「!?」ビクッ

118: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:13:28 ID:RwT190kE

サシャ「」サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサク

ライナー「ちょっ、ちょっと待った!」パッ

サシャ「あっ、ライナー離しましたね。私の勝ちです! ――というわけで残りは私がおいしくいただいちゃいますねー」サクサクサクサク

ライナー「…………今のは一体なんだ? 何しようとした?」

サシャ「だから、ポッキーゲームですよ。こういう長くて棒状の食べ物を、お互い両端から食べ進めていく遊びです。……ふぅ、ごちそうさまでした」フキフキ

ライナー「……」

サシャ「ライナー? やっぱり頭が痛いんですか? 私も手で頭押さえてあげましょうか?」

ライナー「押さえなくていい。……ユミルから聞いたって言ったな? ったく、あいつは」ハァ

サシャ「……あの、ライナーが嫌ならやめますか? やっぱり他の人に」

ライナー「他の奴はダメだ!」バンッ!

サシャ「ライナー、静かに! 見回りの人来ちゃいますよ!」シーッ!

ライナー「……悪い」

119: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:14:15 ID:RwT190kE

ライナー「……なあ、もしここで俺がやらないって言ったら」

サシャ「明日コニーに頼みます」

ライナー「よし続けるぞ」

サシャ「それは……私としてはありがたいですけど、大丈夫なんですか?」

ライナー「今のは驚いただけだ。事前にルールの確認をしなかった俺が悪い。――それに、勝負からは逃げん」

サシャ「おおーっ、男らしいですね!」パチパチ

ライナー「さつまいもスティックはあと二本だったな? 今からでも充分逆転できる」

サシャ「ライナーったら勝つ気満々ですね。――まあ、私が勝つんですけど」フーッ

ライナー「言ってろ。――ほら、今度はお前が先に咥えろ」

サシャ「はーい。じゃあいきますね!」パクッ

ライナー「よし。――はじめるぞ」パクッ

120: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:15:06 ID:RwT190kE

サシャ(さっきは時間が短すぎて、普通に食べた時との違いがわからなかったんですよね。ライナーが続けるって言ってくれて助かりました)

サシャ(さーて、次も私が勝っちゃいますよ!)サクサクサクサク

ライナー「……」

サシャ「……?」サクサクサクサク

サシャ(あれ? ライナーは食べないんでしょうか。……ライナーが食べない分、私の取り分が増えるので別にいいんですけどね)

ライナー「……」

サシャ「……」サクサクサクサク

サシャ(待ちの一手だけじゃ勝てませんよ、ライナー!)サクサクサクサク

ライナー「……」

サシャ「……」サクサク

121: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:16:04 ID:RwT190kE

サシャ(なんだかおかしいですね。もう半分も残ってないのに動かないなんて……もしかして、さつまいもスティック苦手だったんでしょうか?)サクサク

サシャ(でも、みんなで焼き芋した時は普通に食べてましたし、苦手ってことはないと思うんですけど――ん?)ピタッ

ライナー「……」

サシャ「……」...サクッ

サシャ(……さっきより顔が近いような)ススッ

ライナー「……腰、引けてるぞ」

サシャ「え、でも、これ……」

ライナー「なんだ、いらないなら俺が食っちまうぞ」サクッ

サシャ「!? そっ、それはダメです!」サクサク

122: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:16:46 ID:RwT190kE

サシャ「……」サクサク

ライナー「顔赤いぞ。どうした?」サクサク

サシャ「だ、だってこれ……顔、近すぎません? それに、このままだと――」

ライナー「このままだと?」

サシャ「……………………き、キス、することになっちゃいますけど」

ライナー「そうだな。……それで?」

サシャ「そ、それでって――」

ライナー「気づいてなかったのか? それに、キスくらいいつもしてるだろ?」

サシャ「そりゃそう……ですけど。いつものは、こんな風にゆっくりじゃないですし、顔が少しずつ近づいてきて、その…………恥ずかしい、っていうか」ボソボソ

ライナー「ああ悪い。声が小さくて聞き取れなかった」サクサクサクサクサクサクサクサク

サシャ「ひゃあっ!?」パッ

123: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:17:30 ID:RwT190kE

サシャ(は、鼻が……鼻のてっぺんが、当たった……!)ドキドキドキドキ

ライナー「離したな?」ニヤッ

サシャ「……あっ」

ライナー「俺の勝ちだな。というわけで残りは俺のもんだ」サクサクサクサク

サシャ「ああっ、ああー……」ガクッ

サシャ(そんな、食べ物がかかった勝負で私が負けるなんて……!)ギリッ...

サシャ「……ライナー、最初から気づいてたんですね?」

ライナー「むしろお前が気づかなかったのかと俺は聞きたい。――あーおいしかった。ごちそうさん」

サシャ「うぐぐ……卑怯ですよライナー! 知ってるなら教えてくれればよかったのにぃっ!」

ライナー「勝負事は駆け引きが重要だろ? 今回は俺が上だったってだけだ。それに知ってる情報を明かさなかったのはお前も同じだ。――さあ、続けるぞ」

サシャ「まっ、まだやるんですか!?」

ライナー「お前がやりたいって言ったんだろ? 俺は付き合ってやってるだけだ」ニヤニヤ

サシャ「うっ……」

124: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:18:40 ID:RwT190kE

サシャ(食べ物がかかってるのに勝てる気がしません……こうなったら!)

サシャ「ダメです!残りの一本は私が食べます!」ササッ

ライナー「あっ、こら! 食べたらお前の負けだぞ!?」

サシャ「えっ、ええっ!? ずるいですよライナー!!」

ライナー「当然だろ、するくないっ! これは俺が没収する!」ヒョイッ

サシャ「あーっ! ダメですよ返してくださいっ! もうっ!!」ピョンピョン

ライナー「こうでもしないとお前食っちまうだろ! こらっ、シャツを引っ張るな、伸びるっ!」ジタバタジタバタ

サシャ「私のさつまいもー!」グイグイ



ジャン「やっぱこれだねー♪ ……っと」ガチャッ



ライナー「」ピタッ

サシャ「」ピタッ

125: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:19:47 ID:RwT190kE

ジャン「……こんばんは」ペコッ

ライナー「……おう」ペコッ

サシャ「……どうも」ペコッ

ジャン「……」

ライナー「……あのな、ジャン。これには深い理由があってだな――」

ジャン「慌てるな、ライナー。俺は同期の中でも取り分け現状を認識する能力が高いんだ。今がどういう状況かもわかってる」

ライナー「お、おお……そうか」

サシャ「……」

ジャン「……ライナーがサシャからお菓子を取り上げた!」ビシッ!

ライナー「ちがうっ!」

サシャ「そうですっ!」

ジャン「よし、たぶんライナーが正しい」

ライナー「っしゃあっ!」グッ

サシャ「なんでそうなるんですか!?」

126: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:21:03 ID:RwT190kE

ジャン「いいかサシャ。お前の足りない頭でよーく考えろ……この状況、どう見てもお前がライナーに菓子を取り上げられたと考えるほうが自然だ」

サシャ「だったら――」

ジャン「だが、あのライナーが否定してるんだからそんなことはありえない」

サシャ「なっ……! で、でも、ライナーが嘘を吐いてる可能性だってあるはずです!」

ジャン「ていうかぶっちゃけお前よりライナーのほうが信用できる」キリッ

サシャ「ぐうっ、こんなところでも日頃の行いの差が出るなんて……っ!」ダンッ!!

ライナー「はっはっは、俺の勝ちだな!」

ジャン「テンション上げてるところ悪いんだけどよ、ライナー。誰か他にここに来なかったか?」

ライナー「いいや? 今の時間は見回りも来ないしな。誰も見てないぞ」

ジャン「そうか。っかしいなー……」ボリボリ

サシャ「何かあったんですか?」

127: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:21:48 ID:RwT190kE

ジャン「俺もよくわかんねえんだけどよ、手紙でここに呼び出されたんだ。なんでも、日頃のお礼にポッキーゲームしたいんだとさ。よくわかんねえんだけど」ピラッ

ライナー「……相手はミカサか?」

ジャン「はぁ? なんでミカサが出てくるんだ? 違ぇよ」

サシャ「では、全く知らない相手なんですか?」

ジャン「相手は……確か、この前の立体機動訓練で同じ組になった奴だな。知らない奴ってわけじゃないけど、話はほとんどしたことねえ」

ライナー「帰ったほうがいい」

サシャ「出口はあちらです」

ジャン「なんで俺を帰そうとする」

ライナー「年上の忠告はありがたく聞いとくもんだ!!」

サシャ「いくら叶わない恋だとしても、はじめては好きな人じゃないとダメですよ!!」

128: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:22:37 ID:RwT190kE

ジャン「な、なんだよその反応…………あっ、お前らもしかしてポッキーゲームが何か知ってるのか?」

ライナー「いやー知らないなー」

サシャ「全く身に覚えがありませんねー」ピーヒョロロ

ジャン「おいおいお二人さん。さっきも言ったが、俺は現状を認識する能力が高いんだぜ? ――知ってんだろてめえら二人」ギロッ

サシャ「……はい、知ってます」

ジャン「それならちょうどいい。どういうゲームか教えてくれよ。それさえ聞いたら、お前らの忠告通り帰るからさ」

ライナー「……まあ、教えてやるくらいなら構わんが」



ジャン「ちょっと待った。――ただ教えてもらうってのもわかりにくいから、どうせなら実演してくれ」



ライナー「」

サシャ「」

129: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:23:22 ID:RwT190kE

ライナー「……実演?」

サシャ「……私とライナーで?」

ジャン「おう」

ライナー「……」チラッ

サシャ「……」チラッ

ライナー(さっきまでのアレを、ジャンに見せるのか……?)

サシャ(誰もいないならともかく、ほ、他の人の前でキスをするのは……)モジモジ

ジャン「ほら、早くしてくれよ。相手が来ちまうだろ?」

130: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:24:43 ID:RwT190kE

サシャ「ら、ライナー……本当にやるんですか? 私、わたし……」クイクイ

ライナー「大丈夫だサシャ。――俺を信じろ」

サシャ「……はい」

ライナー「いいかジャン。ここに一本のさつまいもスティックがある。……ポッキーゲームというのはだな、こいつを使うんだ」

ジャン「おお! ――やっぱりな、さっきから意味ありげに持ってるから何か関係あると思ってたんだ」ポンッ

ライナー「まずはこれを二本に折る」ポキッ

サシャ「……ん? 折る?」

ジャン「おおっ! 今ポキッって音がしたぜ!? ――なるほどな、ポッキーゲームの『ポッキー』はそこからきてるのか!」ワクワク

131: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:26:36 ID:RwT190kE

ライナー「そうだ。こういう長い棒状の物が折れた時の、『ポキッ』という擬音がこのゲームの名前の由来だ。――さあサシャ、こっちの短いほうを持て」

サシャ「はーい」スッ

ライナー「そして、互いに持った棒を打ちあう」ペシッ

サシャ「……」ペシッ

ジャン「……チャンバラか」

ライナー「そんな感じだ。この時、あくまで棒の端を持つのが重要だな。――こうすることで、身持ちの堅い昔の人は口づけの代わりとしたんだ」

ジャン「!? ……いきなり話が飛んだな」

ライナー「昔から伝わる伝統や風習ってのはそんなもんだ。何気ない行動がとんでもないことに繋がっていたりする」

ジャン「へー……ライナー、物知りなんだな」

ライナー「というわけでだ。――ジャン、お前がポッキーゲームをすれば、その相手とキスしていることになる」

ジャン「」

132: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:27:18 ID:RwT190kE

ジャン「……俺、帰るわ」クルッ

ライナー「ああ、そうしたほうがいい」

サシャ「そうですね。相手の子には私から話しておきますよ」

ジャン「やっぱりファーストキッスは好きな女子としないとな。――じゃあ二人とも、おやすみ!」ガチャッ バタンッ ダダダ...

ライナー「……走って逃げたな」

サシャ「そうですね」

ライナー「聞き分けがよくて助かった」ハァ

サシャ「よくもまあ、あんな嘘すらすら出て来ましたね」

ライナー「嘘は言ってないぞ。……結果論だが」

サシャ「確かに嘘ではありませんでしたね。キスすることには変わりありませんし」

ライナー「ああ。それにあんなゲーム、他人の前でやれるもんでもないだろ」

サシャ「……そうですね」

ライナー「それともなんだ。――お前、ジャンに見せつけたかったのか?」

サシャ「………………ライナーのいじわる」プイッ

133: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:27:59 ID:RwT190kE

サシャ「まあ、それはそれとして。ポッキーゲーム、もうできませんね」サクサクサクサク

ライナー「あっ! ……いや、まだ俺が持ってるさつまいもスティックがある!」

サシャ「隙あり!」ピョンッ

ライナー「そう簡単にやるか! ――さあ、勝負の続きだ。次も俺が勝つ!」

サシャ「……」ジーッ

ライナー「なんだ? そんな目で見たってやらんぞ?」

サシャ「……」

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「……負けた。やる」スッ

サシャ「へへへ、ありがとうございます」パクッ

134: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:28:55 ID:RwT190kE

サシャ「……♪」サクサクサクサク

ライナー「……捨てられた子犬みたいな目しやがって」ブツブツ

サシャ「言葉じゃ勝てなさそうでしたからね。私なりに頭を使った結果です。――というわけで、ごちそうさまでした!」フーッ

ライナー「おう。よかったな」ムスッ...

サシャ「ああっ、拗ねないでくださいよー。ほらほら、ジャンも事実を知らずに帰れたんですから、それでいいじゃないですか。ね?」ナデナデ

ライナー「……お前は俺でよかったのか?」

サシャ「? 何がですか?」

ライナー「最初の相手だよ。キスは好きな人とじゃないとダメなんだろ?」

サシャ「それは、その………………………………ないしょです。教えてあげません」

ライナー「……生意気な奴め」ワッシャワッシャ

サシャ「ああっ! クリスタにお手入れしてもらったばかりなのに!」ジタバタジタバタ

135: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:29:47 ID:RwT190kE

サシャ「仕方ありませんね……じゃあ今度、もう一回さつまいもスティック買いに行って、また勝負しましょうか」

ライナー「は? まだやるのか?」

サシャ「だって結局、味の違いがわからなかったんですもん。――私に勝ったら、さっきの質問の答えを教えてあげてもいいですよ」

ライナー「よし、乗った。……絶対勝つからな」

サシャ「私だって、今度はそう簡単に負けませんからね!」



おわり

136: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/12(火) 20:33:02 ID:RwT190kE
(本編を書きためしないと)やばいと思ったが衝動が抑えきれなかった&次回に組み込もうと思ったけれど無理そう&スレ立てするには短すぎる&次回更新の時に投下じゃ時期的に遅すぎる ので、ここに番外編として投下しました
というわけで書きために戻ります あと>>1はトッポのほうが好きです

137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/12(火) 20:48:44 ID:nw6XC2gw
乙!素敵でした!
二人がくっつくの楽しみ

138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/12(火) 21:07:17 ID:QjSC9HRk
>>じゃがりこも良いよな

139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/13(水) 01:13:50 ID:mUesLVno
乙!ニヤけた
ちなみに俺はプリッツ

140: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/13(水) 08:13:28 ID:46tUQQt6


>>1の書くがサシャが可愛すぎてニヤニヤ止まらない


自分は芋けんぴが好き

142: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:53:35 ID:CCN8p4is
感想ありがとうございましたー
じゃがりこ&プリッツ&芋けんぴのキーワードで更に妄想が降りてきたので、取り敢えずじゃがりこ編を投下します

(投下は来週になりそうですが)本編もちゃんと書き溜め進んでますのでご心配なく

143: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:54:47 ID:CCN8p4is

―― 数日後 消灯時間前 とある倉庫

サシャ「じゃがりこしましょう」

ライナー「意味がわからん」

サシャ「今朝、私宛にお菓子の詰め合わせが届いたんです」

ライナー「へえ……実家からか?」

サシャ「いいえ、知らない人からです」

ライナー「危ねえな」

サシャ「お菓子に罪はありません。それに、誰から届いたとかどうやって調達したとかそういう細かいことはいいんですよ」

ライナー「そういうもんか?」

サシャ「そういうものです。一番大事なのは、私たちの目の前にこうしてお菓子の詰め合わせがあるということです。タダですよ、タダ! ひゃっほう!」バンザーイ

ライナー「現金な奴だなぁ」

サシャ「なんとでも言ってください。――というわけで、じゃがりこしましょう」

ライナー「振り出しに戻った」

144: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:55:51 ID:CCN8p4is

ライナー「で、じゃがりこってなんだ?」

サシャ「お菓子の名前です。ここにそう書いてあります」

ライナー「何故読める」

サシャ「食べ物への愛があればこんなの簡単です。――ほら、長年家畜を世話してると考えていることが大体わかるっていうでしょう? あれと同じです」

ライナー「すげぇな」

サシャ「ちなみに味はサラダ味だそうですよ。ここに書いてます」

ライナー「サラダ味? 野菜でも入ってんのか?」

サシャ「いいえ、サラダ油のサラダらしいですよ。――まあとにかく食べましょうよ。開けますね」ペリペリ

ライナー「!?」

145: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:57:04 ID:CCN8p4is

サシャ「うーん……さつまいもスティックよりは短いですね。でも量はたくさん入ってるので長く楽しめそうです。取り敢えず一本食べてみます?」

ライナー「サシャ、お前……」

サシャ「? なんですか?」

ライナー「その箱……箱? いや筒か? どうやって開けた?」

サシャ「え? ええっと、ここの『OPEN』って書いてある部分を摘んでですね、ひょいっと上に」クイ

ライナー「ちょっとその筒、見せてくれ。頼む」

サシャ「いいですよー。どうぞ」スッ

ライナー「どうも。――なんだこれ、箱なのか……? いや、それ以前にこれは紙か? なんだこれ……」ジーッ

サシャ「早く食べましょうよー」クイクイ

ライナー「中身出していいか?」ソワソワ

サシャ「いいですよ。ハンカチ持ってきましたから、その上にどうぞ」ファサッ

ライナー「よーし」ザラザラ

サシャ「わぁっ、こうやって並べたらいっぱい入ってますね! どれから食べましょうか?」ワクワク

ライナー「ちょっと待ってろ、この箱分解するから」ベリベリ

サシャ「えっ」

146: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:58:59 ID:CCN8p4is

―― 五分後

サシャ「……」

ライナー「見たことない材質だな……この蓋も、一度糊付けしたのにどうやって剥がしたんだ……? こんな細工、どうやって……」ブツブツ

サシャ「…………」

ライナー「蓋と箱も、微妙に紙の厚さが違う……どういうわけだこれは……」ブツブツ

サシャ「……………………」

ライナー「サシャ、他にこれと同じような箱はあるか? 比べて見てみたいんだが――」クルッ





サシャ「……」プクーッ...





ライナー(……あっ。やべっ)

147: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 22:59:58 ID:CCN8p4is

ライナー「サシャ、どうした? 腹が減ったのか?」アタフタアタフタ

サシャ「……それもあります」

ライナー「だったら先に摘んでてもよかったんだぞ? 俺を待ってなくても――」

サシャ「私は、このお菓子はライナーと一緒に食べようと思って持ってきたんです」

ライナー「……」

サシャ「だから、ライナーが一人で遊んでる間、ず――――――――――――っと待ってました。じゃがりこを長さ順に並べながら、ずっと待ってました」

ライナー「……ああ、そういや綺麗に階段状に並んでるな」

サシャ「…………さみしかったです」クスン

ライナー「すまん」

148: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:00:49 ID:CCN8p4is

サシャ「ライナーばっかり、一人で楽しんでぇ……」イジイジ

ライナー「悪かった悪かった、待たせてごめんな。サシャ」

サシャ「私もお楽しみしたいです」

ライナー「そうだな、そろそろ食うか。――ほら、これなんか折れてないからうまそうじゃないか? 食ってみろ」

サシャ「……ライナー、本当に反省してます? 食べ物で誤魔化そうなんて思ってません?」

ライナー「なんだ、疑ってるのか?」

サシャ「そりゃそうですよ。――というわけで、口開けてください。私もお楽しみしますから、ちょっと付き合ってくださいよ」

ライナー「口? ……まさか、満杯に菓子詰めたりしないよな」ススッ

サシャ「そんなもったいないことしませんよ。いいから口開けてください」

ライナー「わかった。――これでいいか?」パカッ

サシャ「はい、ばっちりです。――ふっふっふ、それでは行きますよ!」クワッ!!

149: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:01:56 ID:CCN8p4is

サシャ「さあっ、このじゃがりこをじっと見ててくださいね? まずは右です! ――とうっ!」ササッ

ライナー「……」

サシャ「次は左ですよ! ――ほらほらライナー、食べたくなってきたでしょう?」スススッ

ライナー「…………」

サシャ「どうです? 目の前でお菓子がちらつくと悔しいでしょう? 悔しいでしょう!?」ササッ

ライナー「いや全然」

サシャ「そんな!?」ガーン!

ライナー「お前、何をしたいんだ」

サシャ「ライナーを悔しがらせたいんですよ! もうっ、なんで悔しがってくれないんですかぁっ! 私が馬鹿みたいじゃないですか!!」ジタバタジタバタ

ライナー(馬鹿かわいいなこいつ)

150: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:03:47 ID:CCN8p4is

サシャ「……もういいです。気を取り直して食べましょう」

ライナー「そうだな。野ざらしにされて菓子がかわいそうだしな」

サシャ「流石にこれ全部でポッキーゲームをするのは無茶なので、そのまま何本か食べましょう。……あっ、短いのから順に食べてくださいね」

ライナー「おう、わかった。……ん? 固いな、これ」ポリポリ

サシャ「さつまいもスティックよりかなり固いですよね。――そういえば、このお菓子って伝統的な食べ方があるらしいんですよ。よく見ててくださいね」ヒョイッ

ライナー「食べ方?」

サシャ「はい、箱に書いてたんです。じゃあ食べますよ? ――じゃーがーりーこー」ポリポリ

ライナー「……」

サシャ「じゃがりこじゃがりこじゃがりこ」ポリポリポリポリ

ライナー「……」

サシャ「どうです? なかなか上手でしょう?」フーッ

ライナー「……一回見ただけじゃよくわからなかったな。もう一回やってくれ」

サシャ「いいですよ! ――じゃーがーりーこー」ポリポリ

151: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:04:34 ID:CCN8p4is

サシャ「じゃがりこじゃがりこじゃ――」ポリポリ

ライナー「……」ジーッ...

サシャ「じゃ、じゃがりこ……」ポリッ

ライナー「……」ジーッ...

サシャ「……なんで黙って見てるんですか」

ライナー「どうやって食べればいいのか観察してるんだ。続けてくれ」

サシャ「で、でも」

ライナー「いいから」

サシャ「はぁ……」ポリポリ

152: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:05:30 ID:CCN8p4is

ライナー「……」ジーッ...

サシャ「……あの、前から見られてると食べにくいんですけど」

ライナー「頑張れ」グッ

サシャ「いや応援とかそういう問題じゃなくてですね」

ライナー「ほら、手が止まってるぞ。早く早く」ヘイヘーイ

サシャ「ううっ……わかりましたよ、食べますよ、食べればいいんでしょう?」ポリポリ

サシャ「……」ポリポリ

ライナー「……」ジーッ...

サシャ(なんだかこれ、結局ライナーが得してる気が……)ポリポリ

ライナー(……かわいい(確信))

153: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:06:37 ID:CCN8p4is

―― 五分後

サシャ「ふぅ。やっとここまで減りましたね」

ライナー「三本ならちょうどいいな」

サシャ「そうですね。――三本勝負で、二本先取した方が勝ちでいいですね?」

ライナー「ああ。それでいい」

サシャ「じゃあ、先にライナーが咥えてください」スッ

ライナー「おう、わかった。――よし、来い!」パクッ

サシャ「いきますよ! 絶対負けませんからね!」ポリッ

ライナー「言ってろ。今日は俺も責めるからな」ボリッ

サシャ「……」ポリッ

ライナー「……」ポリッ





ライナー・サシャ(………………固い)ポリッ...

154: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:07:55 ID:CCN8p4is

ライナー(さっきまでは手で持ってたから気にならなかったが……この菓子、かなり固いな)ポリッ

サシャ(す、進まない……! さっさと食べて終わらせようと思ったのに、全然進まない……っ!)ポリッ

ライナー「……サシャ」ポリッ

サシャ「なっ、なんですか」ポリッ

ライナー「……そんな露骨に顔を真っ赤にされると、こっちも恥ずかしくなるからやめろ」

サシャ「だ、だって……こ、こんなに近くなのって、恥ずかしくて……」

ライナー「これくらい割り切れよ」

サシャ「そんな、割り切れって言われても…………ん?」

ライナー「なんだ?」ポリポリ

サシャ「えーっと、あのですね…………眉毛、こんな近くで見たことなかったなぁと思いまして」ジーッ...

ライナー「!!」パッ

155: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:09:02 ID:CCN8p4is

サシャ「あっ、やった! 離しましたね、私の勝ちです!」ポリポリポリポリ

ライナー「……どこ見てんだお前」

サシャ「どこって、眉毛ですよ眉毛。そんな形してたんですね、近くでゆっくり見る機会ってないのでなんだか新鮮です」

ライナー「……」ササッ

サシャ「……? なんで手で隠してるんですか?」

ライナー「……いいだろ別に。続きやるぞ」

サシャ「でも、それだとライナーの手が邪魔になってゲームができませんが」

ライナー「……」

サシャ「……もしかして」

ライナー「……」ビクッ



サシャ「眉毛見られるの、恥ずかしい、とか……?」

ライナー「……」ダラダラダラダラ

156: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:10:35 ID:CCN8p4is

サシャ「なるほど。眉毛ですか」

ライナー「……おいおいサシャ。俺がたかが眉毛なんか気にするわけないだろ?」フッ

サシャ「じゃあ、その手取ってください」

ライナー「断る」

サシャ「確定ですね」

ライナー「……くそ、やられた」

サシャ「むふふ、一瞬の油断が命取りですよ? ――さて、続きやりましょうか」ニッコリ

ライナー「いや、待った。ここはお前の勝ちでいい」

サシャ「えっ、いいんですか? ――じゃあ、残りの二本ももらっちゃいますね!」ジャガリコジャガリコ

157: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/14(木) 23:11:28 ID:CCN8p4is

サシャ(ライナーの弱点は眉毛だったんですね。これはいい情報を掴みました)ニマニマ

ライナー(こんな形でバレるとは予想外だったな……俺も油断してたってことか)ギリッ

サシャ(これで状況はイーブンですね。例え私が『見ない』って宣言したとしても、一度意識したら気になるはずです)

ライナー(……次の菓子がじゃがりこより固いってことはないだろう。サシャがやっていた伝統的な食べ方を考えれば、あの食感がこの菓子の魅力の一つであることは間違いない)

サシャ(お互い条件が同じなら、私が逆転できる可能性も充分あります。ここは当初の予定通り――)

ライナー(バレちまったからには仕方がない。次からは予定を変更して――)





ライナー・サシャ(――短期決戦に賭ける!)

163: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:53:03 ID:dtE0NEhk

サシャ「さて、お次はプリッツですよ。これもサラダ味です」ガサゴソ ドン!

ライナー「サラダっつうか、さっきのじゃがりこも結構塩気があったよな。サラダ味じゃなくて塩味じゃないのか?」

サシャ「そういうツッコミを想定しているのかどうかはわかりませんが、プリッツのパッケージには『サラダ あっさり塩味』って書いてありますね」

ライナー「あっさりか……じゃがりこもプリッツも、色は緑なんだな」

サシャ「サラダ味で緑色だとキャベツとかキュウリ想像しちゃいますよね。……まあそういう細かいことは置いといていただきましょう!」サッ

ライナー「ちょっと待った。……その箱、俺に開けさせてくれないか?」ソワソワソワソワ

サシャ「……私のこと蔑ろにしないって約束できます?」

ライナー「するする」コクコク

サシャ「それならどうぞ」スッ

164: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:54:24 ID:dtE0NEhk

ライナー「どうも。……さっきのじゃがりこもそうだったが、随分と上等な紙を使ってるんだな。内地にはこんなものがあるのか?」ジーッ...

サシャ「内地の高いお菓子でもここまで手の込んだ包装はしてないと思いますよ。少なくとも私は見たことないですね」

ライナー「不思議なものもあったもんだなぁ」シミジミ

サシャ「ああもうっ、そういうのはいいから早く開けてくださいよ! そんなに気になるなら空箱あげますから」クイクイ

ライナー「もらっていいのか!?」

サシャ「……むしろなんで欲しいのか私にはわかりかねます」

ライナー「まあ、食い物にしか興味がないサシャにはわからんだろうな」

サシャ「……最近は、食べ物だけじゃないですもん」ボソッ

ライナー「ほー……お前が食べ物以外に興味を持つなんてな。何か面白いもんでも見つけたのか?」

サシャ「……ライナーには教えません」プイ

ライナー「なんだ、この前からちょくちょく生意気だな。反抗期か?」

サシャ「なんと言われようがだめなものはだめです。――さあ、早くお菓子食べましょうよ。どれだけ待たせるんですか」ムー...

165: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:55:25 ID:dtE0NEhk

ライナー「そうだな。消灯まで時間もないことだし、さっさと開けるか」

サシャ「そうですよ、そうしてください。もう私お腹ぺこぺこですよ」グー...

ライナー「えーっと……まずは…………」ジーッ...

サシャ「……」

ライナー「…………」クルクルクルクル

サシャ「…………ああああああああああああああもうっ、じれったい!! すぐ近くに開けかた書いてるでしょう!? ここですよここ!!」ビシッ!

ライナー「こ、これか。……よし」グッ

サシャ「……」

ライナー「……」

サシャ「何してるんですか」

ライナー「いや……図を見ればどうすりゃいいのかはわかったんだが、下に書いてある文字が読めん」

サシャ「……『指を押し入れて引き上げます』」

ライナー「押す……?」メキメキッ

166: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:56:23 ID:dtE0NEhk

サシャ「ちょっ、それじゃ中身潰れちゃいますって! もっと丁寧に扱って下さいよ!」ガルルルルル

ライナー「くっ…………これ、開けるの難しいな」チッ

サシャ「ライナーが堅苦しく考えすぎなんですよ」

ライナー「……で、次は?」

サシャ「へ? ……あっ、私が指示する係なんですね」

ライナー「そうだ。早くしろ」

サシャ「なんで私が急かされなきゃダメなんですか、もう……えーっと、まずはその赤い部分を中に押し入れてください。中身は潰さないでくださいよ?」

ライナー「わかってる。……こんな感じか?」グイッ ――パコッ

167: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:57:28 ID:dtE0NEhk

ライナー「……おお」ジーン...

サシャ「やればできるじゃないですか! おめでとうございます!」パチパチ

ライナー「……つ、次は? 次はどうしたらいいんだ?」ソワソワ

サシャ「はいはい、ここにちゃんと書いてますよ。そのまま上に引き上げてくださいね」

ライナー「上……」ペリペリ

サシャ「もっと早く」

ライナー「急かすなって。――できた、ほら見ろ!! 開いたぞ!! どうだ!!」ヒャッホウ

サシャ「はーい、お疲れさまでした。えっと、箱の中身は……」ガサガサ

ライナー「よし、食うか!!」

サシャ「まだですよ。袋が二つ入ってますからこれも開けないと」

ライナー「」

168: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 20:59:02 ID:dtE0NEhk

ライナー「……また容れ物か」チッ

サシャ「残念でしたね。――ほら、これも開けかた書いてますよ。やります?」

ライナー「やる」

サシャ「はいはい。どうぞどうぞ」スッ

ライナー「……」ドキドキ

サシャ「……『切れ込みの両側を持って上下に引いてあけてください』」

ライナー「……中身が、飛び散ったりしないだろうか」

サシャ「わかりましたわかりました、飛び散ったら私が食べますから」

ライナー「……」スーハースーハー

サシャ「深呼吸もいいですけど力入れすぎないでくださいね」

ライナー「わ、わかってる」ギクシャク

169: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/15(金) 21:00:49 ID:dtE0NEhk

ライナー「……この袋って布か? それとも紙か? 別の物質なのか?」

サシャ「知りませんよ早く開けてくださいよいつまでやってんですかもう!!」ペチペチ

ライナー「叩くな叩くな!! ……よっと」グイッ ――バリッ

サシャ「おっ……おおっ! やっとご対面ですね!! やったぁ、会いたかったです!! プリッツさんおはようございます! 朝ですよー!!」バンザーイ

ライナー「今は夜だけどな。――それにしても、厳しい戦いだった」キリッ

サシャ「主にライナーが一人で盛り上がってただけですけどね。中身、ハンカチの上にあけますよ」ザラザラ

ライナー「二枚目か。用意がいいな」

サシャ「お菓子にハンカチはつきものです。手を拭いたりお菓子をのせたり色々使えますから」

ライナー「こっちも結構量が多いな」

サシャ「じゃがりこと同じ本数くらいでしょうか……あちゃー、何本か折れちゃってますね、これ」

ライナー「……もったいないことしたな」ションボリ

サシャ「いえいえ。味は変わりませんから、気にしなくてもいいですよ」

174: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:02:21 ID:.9IvV8sc
>>173さん じゃがりこと芋けんぴも買おうぜ!
というわけでプリッツ編・後半+芋けんぴ編ちょこっと投下します

175: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:03:20 ID:.9IvV8sc

ライナー「じゃがりこより塩っ気が多いなー」サクサク

サシャ「飲み物が欲しいですね。持ってくればよかったです」サクサク

ライナー「本数は……さっきと同じ三本残せばいいか」サクサク

サシャ「あんなにあったのに、もう少ししか残ってませんね。二人で食べたらすぐなくなっちゃいますねー」サクサク

ライナー「もう一袋開けるか?」

サシャ「何言ってるんですか私の非常食にするのでダメですよ!!」クワッ!!

ライナー「非常食って……もうちょい上等なもん食えよ。菓子ばかりだと太るぞ」

サシャ「ふっ、ふとっ!? ――言われてみれば、最近太ももにお肉が増えたかも……」モニュモニュ

ライナー「!? おいこらやめろ! こんなところで揉む奴があるか!!」ガシッ

サシャ「だってライナーが言ったんじゃないですか私の太ももむちむちしてきたってぇっ!!」ジタバタジタバタ

ライナー「言ってねえよ!! なんでそうなる!?」グイグイ

176: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:04:58 ID:.9IvV8sc

ライナー「……」ゼエハア

サシャ「……」ゼエハア

ライナー「残り三本になったし、もういいだろ。そろそろはじめるか?」

サシャ「……」ジーッ...

ライナー「……? サシャ、指に何かついてるのか? どうした?」

サシャ「……この指についた塩はどうしたら」

ライナー「拭けばいいだろ? ハンカチあるんだしよ」フキフキ

サシャ「……舐めたら、ダメでしょうか」

ライナー「別に止めないが」

サシャ「……うぐぐ」

177: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:05:59 ID:.9IvV8sc

サシャ(なっ、舐めたい……! 塩なんて滅多に食べられないのに、拭くなんてもったいなさすぎる……! 一人だったらペロペロするのに……!!)ギリッ...

サシャ「……ライナー、ちょっとあっち向いててください」

ライナー「舐めたいなら舐めりゃいいだろ」

サシャ「そっ、そんなことしませんよー?」ピーヒョロロ

ライナー「今更見栄なんか張らなくていいんだぞ? ――ほら、やりたいようにやれ」

サシャ「……後ろ、向いてくれません?」

ライナー「お前、俺が見てないうちにその三本も食っちまうだろうが。却下だ」

サシャ「なっ……!? そこまで読まれてるなんて……!」ガーン

ライナー「長い付き合いだからな、それくらいはわかるぞ」フフン

サシャ「くぅ……っ!」プルプルプルプル

ライナー「我慢できないんだろ? 舐めちまえって……――!?」

178: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:07:05 ID:.9IvV8sc

サシャ「うぐぐぐぐぐぐ」フキフキゴシゴシ

ライナー「……サシャ、お前」

サシャ(あああああ、お塩が……お塩がハンカチに……もったいないぃ……! でも、ライナーの前でペロペロ舐めるのは……!)フキフキゴシゴシ

ライナー「お前、まさか……慣れないもん食ったから腹でも壊したんじゃないだろうな!?」

サシャ「……」

ライナー「大丈夫か? 背中さすってやるか? それとも医務室に行くか?」オロオロ

サシャ「……そんなのいいです。いりません」クスン

ライナー「いいわけあるか! ――いや待てよ。今の時間、医務室は閉まってたよな……医者が必要なら町に行かないと」ブツブツ

サシャ「もうっ、別にお腹が痛いわけじゃないですよ! いいから始めましょう! ――はいじゃあさっきはライナーからだったので、今度は私が咥えますね!」パクッ

ライナー「……俺はお前を心配してだな」

サシャ「私としてはあるわけがない腹痛よりも、今発生してる空腹のほうが大問題です。――ほら、早く咥えてくださいよ」クイクイ

ライナー「……何か異常があったら、担いででも医者に連れて行くからな」

サシャ「どうして私が重病人になってるんですか……ほら、早く早くー」クイクイ

ライナー「舌で動かすなよ、咥えづらい」パクッ

179: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:08:28 ID:.9IvV8sc

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「食わないのか?」

サシャ「ライナーこそ。黙って見てるだけじゃ進みませんよ」

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「やっぱりどこか具合が悪いんじゃないか?」

サシャ「悪くないですってば」

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「食えって」

サシャ「食べますよ。私のタイミングで」

180: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:09:48 ID:.9IvV8sc

ライナー(サシャの奴、なんで動かないんだ? ……やっぱり腹が悪いんだろうか)

サシャ(さっきの眉毛の件があったから、焦って突っ込んでくると思ったのに来ませんね)

ライナー(短期決戦で仕掛けようと思ってたのが、なんだか気が削がれちまったんだよな。……それに、本当に腹が減ってるんだとしたら、少しは多く食わせてやりたいんだが)

サシャ(ライナーにも食べてもらわないと、早く終わらないじゃないですか。いったい何してるんでしょう)

ライナー(俺の気も知らないで……)

サシャ(私の気も知らないで……)



ライナー「……」

サシャ「……」





ライナー「隙あり!」サクサクサクサクサクサクサクサク

サシャ「なんの!」サクサクサクサクサクサクサクサク

181: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:11:07 ID:.9IvV8sc



―― ポキポキッ ポトッ



ライナー「あっ」

サシャ「あーあ、折れちゃいましたね」ヒョイパク

ライナー「……今、床に落ちた欠片拾って食ったろ」

サシャ「はて? なんのことやらさっぱりです。――今のはどっちが先に折ったのかわかりにくかったですね。もう一回やりましょっか」パクッ

ライナー「次は俺も一気に行くぞ」

サシャ「ふぁーい、どうぞー」クイクイ

ライナー「――よし」パクッ





サシャ「先手必勝!」サクサクサクサクサクサクサクサク

ライナー「負けてたまるか!」サクサクサクサクサクサクサクサク

182: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:12:18 ID:.9IvV8sc



―― ポキポキッ ポトッ



サシャ「あれっ!?」ヒョイパク

ライナー「おい、また折れたぞ? しかも食べたよな?」

サシャ「食べてませんけど三秒ルールなので問題ありません」モグモグ

ライナー「食ってるだろうが」

サシャ「知りません。……プリッツって、じゃがりこみたいに固くないからすぐ折れちゃいますね」

ライナー「二人でがっついたからな……二回とも引き分けか」

サシャ「たぶん次も引き分けになりそうですよね」

ライナー「お前もうちょっと遠慮しろよ」

サシャ「ええー……私のせいですか? ライナーが我慢すればいいだけの話でしょう?」

183: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:14:09 ID:.9IvV8sc

ライナー「……で、続けるか?」

サシャ「このまま続けても、またバラバラになるのがオチですよね。だったらこうしましょう」ポキッ

ライナー「……? そこからどうするんだ?」

サシャ「どうもしません。半分こです。はいどうぞ」スッ

ライナー「……食っていいのか? ゲームはどうした?」

サシャ「だって、三本目もきっちりした決着つきそうにないんですもん。というかもう落ちたの拾って食べたくないですし」

ライナー「やっぱり食ったんじゃねえか」

サシャ「食べちゃいました」エヘヘ

ライナー「腹壊しても知らないぞ」

サシャ「私、お腹は結構丈夫なほうなので心配しなくても大丈夫ですよ。……ほらほら、さっさと食べちゃいましょうよ!」サクサク

ライナー「そうだな。……じゃあ、ありがたくもらうな」サクッ





ライナー「……ところで、俺のほうが短くないか?」

サシャ「そんなわけないじゃないですかきっちり半分こしましたから気のせいですよ気のせい」サクサクサクサク

184: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:15:35 ID:.9IvV8sc

サシャ「しょっぱいものが続いたので、今度は甘いものにしましょうか。というわけでお次は芋けんぴです!」ジャーン!!

ライナー「……普通の包装だな」ションボリ

サシャ「共通パッケージが思い浮かばなかったそうです」

ライナー「何の話だ」

サシャ「なんでもありません。というわけで開けますねー」ガサゴソガサゴソ

ライナー「……」

サシャ「……」





サシャ「……ちっちゃいですね」チンマリ

ライナー「ちっちゃいってか短けえな」チンマリ

185: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:16:39 ID:.9IvV8sc

ライナー「じゃがりこの太さとプリッツの長さを見た後だと、ちょっと物足りんな」ウーン...

サシャ「でも、食べ物は見かけによらないって言いますし」

ライナー「人と食べ物を一緒にするんじゃ――いや、お前はそういう奴だった」ハァ

サシャ「なんだかんだ言って、じゃがりこもプリッツもおいしかったんですから。この芋けんぴも絶対おいしいに決まってますよ!」

ライナー「こんなうまいもん送りつけてくるなんて、よっぽど太っ腹な奴なんだな」

サシャ「……太っ腹の人って、お腹に脂肪がたくさん入ってるんですよね」ジュルリ

ライナー「そうだな、お前は想像上の肉でも食ってろ。俺は菓子を食う」ヒョイ

サシャ「ああっ! だめですだめです、私も食べます!」パッ

186: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:17:43 ID:.9IvV8sc

サシャ「それじゃあ、芋けんぴさんいっただっきまーす!」パクッ

ライナー「はいはい。いただきます」パクッ

サシャ「……」

ライナー「……」

サシャ「……甘い」ガリッ

ライナー「ちょっと甘すぎないか? これ」ゴリッ

サシャ「しかも固いですね」ガリッゴリッ

ライナー「じゃがりこより固いな」ガリゴリ

サシャ「……」ガリゴリ

ライナー「……」ガリゴリ

187: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:19:06 ID:.9IvV8sc

ライナー「この前食べたのは……さつまいもスティックだったか」

サシャ「そうですよー。ちなみに期間限定品らしいので、今はいつもの長さに戻ってるそうです」

ライナー「あれと食感が違うのはどういうわけだ? 味もこっちのほうが濃いよな」

サシャ「うーん、そうですね……使ってる材料とか作り方が違うんじゃないですかね? さつまいもを焼くのと揚げるのと蒸すのじゃ、食感が全然違ってきますし」

ライナー「そういうもんか」

サシャ「そういうもんですよ。この前のさつまいもスティックは少し生の食感が残ってましたけど、このお菓子はそういうところが全然ないですね」

ライナー「原型もないし、なんか別の食い物みたいだよなぁ」

サシャ「そうですか? 私は口いっぱいに芋の風味が広がってるのを感じて幸せですが」ニンマリ

ライナー「俺は甘ったるくてそれどころじゃない」ガリゴリ

サシャ「こんなにたくさん砂糖がかかってたら、長く保存しても問題なさそうですね。なのでこっちに寄せた分は取っておきましょう」ゴソゴソ

ライナー「……ちゃっかりしやがって」

サシャ「何を言うんです。これは元々私のですよ」

188: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/16(土) 21:21:13 ID:.9IvV8sc
今日はここまで 続きはたぶん明後日
もしかしたら突如降って湧いたトッポ編も追加するかも 予定は未定!

189: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 14:55:49 ID:.r.09HEg
食いたくなるなあ乙!

192: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:40:27 ID:.mnz2qN6

サシャ「これだけ甘いなら、勉強中のおやつにしてもよさそうですね……むふふ」ニマニマ

ライナー「頬が緩みまくってるぞ。……お前は本当うまそうに食うよなぁ」

サシャ「だって、甘いもの食べると幸せな気持ちになりません?」ニンマリ

ライナー「幸せな気持ちって言われても、ここまで甘いのはちょっとな」

サシャ「いらないなら残りください!」チョーダイ!

ライナー「食うけどよ」ボリボリ

サシャ「むぅ……」

ライナー「人のを狙うほど気に入ったのか? このお菓子」

サシャ「ええ、そうです。この固さと甘さに私は心を奪われました。――この気持ち、まさしく愛です!」キリッ

ライナー「誰か乗り移ってるぞ。……俺はじゃがりこやプリッツのほうが好きだな。甘いもんはたまにでいい」

サシャ「こっちに寄せた分はあげませんよ!?」ガサガサ

ライナー「誰も取らん。――女は甘いもんが好きって言うけど、お前はその辺こだわりなさそうだよな。好き嫌いとかないのか?」

サシャ「ふぁんふぉふぁふぁふぃふぇふふぁ?」バリボリバリボリ

ライナー「……食い終わってから喋ろうな」

サシャ「ふぁーい」モグモグ

193: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:41:38 ID:.mnz2qN6

サシャ「えーっと……味にこだわりはないですけど、食べるタイミングは気にしますよ、私」

ライナー「ああ、わかるわかる。腹減った時な」

サシャ「真面目に聞いてくださいよ! ――そうじゃなくてですね、食べ物の味ってかなり重要だと思うんですよ」

サシャ「しょっぱいものを食べたらなんとなーく元気が出ますし、甘いものを食べたら幸せな気分になれますからね。何か食べる時は、そういう気分に合わせて選ぶことが多いです」

ライナー「ほー……気分か。考えたことなかったな」

サシャ「男の人が塩っ気のあるもの好きなのは、ご飯を食べた時に手っ取り早く元気を出したいからだと思うんですよね。だから、女の子だって元気になりたい時は甘いものじゃなくて肉を選ぶと思いますよ。つまり、決して私が食い意地張ってるわけじゃないんです」

ライナー「最後以外はその通りなんだろうな」

サシャ「張ってません」ブンブン

ライナー「じゃあそっちに隠した菓子寄こせ」

サシャ「何言ってるんですか嫌ですよ」ガサゴソガサゴソ

194: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:42:58 ID:.mnz2qN6

サシャ「なんだかんだで結構食べちゃいましたねー。まだありますけど、取り敢えずはごちそうさまでした!」

ライナー「結局、今までまともにゲームしてないな」

サシャ「ええー……じゃがりこはライナーが自分から試合放棄したんじゃないですか。というか、芋けんぴで勝たないとライナーの負けになっちゃいますよ?」

ライナー「……ところで、俺たちなんで勝負してるんだ?」

サシャ「……あれ? なんででしたっけ?」

ライナー「最初は確か、『普通に食うよりうまいらしいから味を比べたい』って言ってたよな」

サシャ「そういえばそうでしたね。なんで勝敗のかかったゲームになってるんでしょう」

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「まあいいか。うまいもん食えたし」

サシャ「そうですね。結局お菓子はどうやって食べてもおいしいってことでいいですよね」

195: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:44:48 ID:.mnz2qN6

ライナー「ということは、最後はやらなくてもいいんじゃないか? サシャが残り三本食えばいいだけの話だろ? な?」スッ

サシャ「いやいや、ここまでやったんだから最後までやりましょうよ。もしかしたら、芋けんぴが二人で食べてるうちにしょっぱくなってくるかもしれませんよ?」

ライナー「いいっていいって、気にするなよ。お前が食べろ」ニッコリ

サシャ「……なんだか怪しいですね。何か企んでます?」ジーッ...

ライナー「企むだなんてそんな人聞きが悪い」ハッハッハ

サシャ「そうですか。じゃあ不都合ないですよね。――次の勝負、ライナーが負けるかお互い引き分けるかしたら、私の言うこと聞いてもらいます」

ライナー「んなっ……!」

サシャ「ちなみにライナーが勝っても一勝一敗なので延長戦突入ですね」

196: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:47:19 ID:.mnz2qN6

ライナー「待てよ、今更ルール追加するなんて卑怯だろ!?」

サシャ「そう思うなら帰ってもいいですよ。お疲れさまでした」

ライナー「……いや、俺は勝負からは逃げん!」ブンブン

サシャ「流石はライナー、男前ですね!」パチパチ

ライナー「見てろよ。ここから逆転してやるからな!」

サシャ「私だって、食べ物がかかった勝負ならそう簡単に負けませんよ!」

ライナー「そんなこと言っておいて、何度か俺に負けてるのはどこのどいつだったっけなぁ……?」ゴゴゴゴ...

サシャ「おやおや、ゲームを回避するために勝負から逃げようとしたのは、いったいどなたでしたっけねぇ……?」ゴゴゴゴ...

ライナー「ふははははははは」ゴゴゴゴ...

サシャ「うふふふふふふふ」ゴゴゴゴ...





ライナー(……あれ? なんか俺騙されてねえか?)

サシャ(ライナーって意外とちょろいんですね)

197: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:48:33 ID:.mnz2qN6

ライナー「……まあいい。とっとと始めるぞ」

サシャ「それじゃあ、まずは私が咥えますね」パクッ

サシャ(むふふ……ライナーったら迂闊ですね。先に私に咥えさせるなんて)

サシャ(さっき私が指摘した眉毛の件は、態度には出していなくてもまだ気になってるはずです)フーッ

サシャ(ねえライナー……? 自分から弱点を曝けだして相手に接近していくのは、緊張しますよねぇ……?)ドヤァ

サシャ(動揺したライナーが芋けんぴにがっついて、自ら折ってくれればそれでよし。仮に一口目が成功しても、短期決戦を狙っているライナーは食べ方にも荒さが出るはず……)ニヤニヤ

サシャ(つまり、私の勝利は目の前です。―― 一戦目はもらいましたよ!)クイクイ

ライナー(――とか色々考えて、百面相してるんだろうがな……サシャ、そりゃあ悪手だぞ)

ライナー(本当に勝ちたいんだったら、最初に俺に咥えさせるべきだったな。そして、最初の一口を焦らして俺の動揺を誘うほうがまだマシな手とも言える)

ライナー(……甘い、甘いぞサシャ。芋けんぴよりも甘すぎる)

198: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:49:44 ID:.mnz2qN6

ライナー「――行くぞ、サシャ」

サシャ「……いつでも」

ライナー「……」スッ

サシャ「!?」ビクッ

サシャ(おかしい……手で眉毛を隠さないで近づいてくるなんて、いったいどういうつもりなんでしょう……?)

ライナー「なんだ、びびってんのか? サシャ」

サシャ「ライナー……いったい何を企んでるんです? 何のつもりですか?」





ライナー「――こういうつもりだ」





―― ガリッ

199: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/18(月) 21:50:52 ID:.mnz2qN6

サシャ「!?」パッ

ライナー「よーし、離したな。――俺の勝ちだ」バリボリバリボリ

サシャ「あああああっ!? うああああ……」ガクッ

ライナー「俺の自滅を期待したみたいだが、残念だったな」バリボリバリボリ

サシャ「うぐぐ……許しませんよ、ライナー! 一口で七割も持って行くなんて!」バンバン

ライナー「最初の一口で半分以上食っちゃいけねえなんてルールはなかっただろ?」

サシャ「私の取り分が減ったじゃないですかぁっ!」

ライナー「負けがこんでるからな、俺も必死なんだよ」

サシャ「……ぐぬぬ」

ライナー「お前こそ、食に対する執念が薄れてるんじゃないか? あっさり食い物を手放すなんてよ」

サシャ「……だ、だって」



サシャ(……いきなりライナーの顔が迫ってきたから、びっくりしたんですもん)ドキドキ

207: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 19:59:53 ID:AVfikbKk

ライナー「さあ、さっさと進めるぞ」パクッ

サシャ「……あの、ちょっと休憩しません?」

ライナー「ダメだ。――ほら、早くしろ」

サシャ「…………でも、今まで色んなものずーっとかじってましたから、顎が疲れてませんか? 少し口を休めたほうがいいですよ。ねっ?」ニッコリ

ライナー「こっちのペースを崩そうとしても無駄だぞ」

サシャ「むぅ……読まれてましたか」

サシャ(ライナーってば、勢いで押し切るつもりですね。――さて、ここからどうやって攻めましょうか)

サシャ(でも、そもそも私って頭使うの向いてないんですよね。私がライナーの優位に立てるものと言ったら、食欲ぐらいしか――)ウーン...

ライナー「あんまり待たせると食っちまうぞ」ガリッ

サシャ「!! だめだめだめだめです!! 何かじってるんですかルール違反ですよ!」ガバッ



  ―― ガチンッ!!



ライナー「うおっ!?」パッ!!

208: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:00:54 ID:AVfikbKk

ライナー「あっぶねえ、お前今俺の口ごと食おうとしたろ!?」ドキドキ

サシャ「ふぉんふぁふぉふぉふぃふぁふぇふぁっふぇ」バリボリバリボリバリボリバリボリ

ライナー「そんなこともどんなこともあるか! ……ルール追加だ。一度に食べるの禁止な。あと食い終わってから喋れってさっきも言ったろ」

サシャ「ふぁーい」モグモグ

ライナー「一口かじっただけだってのに、飛びついてくるのはないだろ。……あーびっくりした」ドキドキ

サシャ「というか、禁止も何もライナーが先にやったんじゃないですか……でも、これで一勝一敗ですね。なんとかこっちの首の皮が繋がりました」フーッ

ライナー「安心するのはまだ早いぞ。ここにあと一本あるからな」

サシャ「泣いても笑ってもこれが最後、ですね」

ライナー「ルールの確認をするぞ。一口で一度に食べるのは禁止。先に口を離したり、芋けんぴを折ったりしたほうが負けだ。――先手は譲る」スッ

サシャ「おやおや? 随分余裕なんですね」

ライナー「負ける気がしないからな」

サシャ「私はライナーに何をさせようか、今から楽しみで楽しみでたまりませんよ。――さあ、勝負開始です!」パクッ

ライナー「よし、負けないからな!」パクッ

209: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:01:54 ID:AVfikbKk

ライナー「……」

サシャ「……」

ライナー「食わないのか?」

サシャ「いや、かじってるんですけど……固くて」ググググ...

ライナー「ああ、やっぱりな。俺もそうだ」ググググ...

サシャ「歯が、歯が通りません……さっきは簡単だったのに、どうして……」ググググ...

ライナー「前歯だけじゃ厳しいな、これ……おっ、食えた」ガリッ...

サシャ「ええーっ……無理ですよ、どうやってやるんですか?」

ライナー「端さえ砕ければ後は結構楽だぞ。意外と脆い」ガリッ

サシャ「まあ、砂糖菓子は固くて脆いのが特徴ですしね。……あっ、できました」ガリッ...

210: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:03:02 ID:AVfikbKk

ライナー「……」ガリッ...

サシャ「……」ゴリッ...

ライナー「……進まないな」

サシャ「そうですね。もどかしいです」

サシャ(この調子だと、いつまでかかるんでしょうか。消灯時間前には終わらせて、寮に戻らないと…………ん? 終わる??)

サシャ「……あの」

ライナー「なんだ」

サシャ「これ、このまま食べ進めると……キス、することになりますよね」

ライナー「ああ……そういやそうだったな」

サシャ「そうなったら、どっちが勝ちになるんですか?」

211: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:04:02 ID:AVfikbKk

ライナー「そりゃあ……先に離したほうなんじゃないか?」

サシャ「……どっちも離さなかったら?」

ライナー「さあな。ユミルにその辺りは聞いて…………るわけないな」

サシャ「すみません、聞いてきませんでした。――今聞いてきます?」

ライナー「このままの状態で?」

サシャ「……」

ライナー「……」

ライナー(……食うの止まったな)

ライナー「おい。このままじゃ終わんねえぞ」ガリッ

サシャ「わっ、わかってますよ、急かさないでくださいっ」プイッ

ライナー「こら、咥えたまま横向くなよ。――勝負もいいけどな、ちゃんと味も比べてるのか? 元々それが目的なんだろ?」

サシャ「……芋けんぴって、どんな味でしたっけ」

ライナー「はぁ? ……おいおい、本末転倒じゃねえか。そもそもついさっきまで食ってたろうが」

サシャ「それはそうなんですけど……なんだか食べてるうちに訳がわかんなくなっちゃいまして」エヘヘ

212: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:05:03 ID:AVfikbKk

ライナー「なら、この勝負が終わったら寄せてあるのを一本食えばいいんじゃないか? それで比べられるだろ」

サシャ「えっ? ……それはちょっと嫌です」

ライナー「嫌って……お前なぁ、何のために俺が付き合ってやってると思ってんだ?」

サシャ「そりゃあもちろん、ユミルの言ってたことが本当なのか知りたい気持ちはあるんですけど……その」モジモジ

ライナー「なんだ、はっきり言えはっきり」

サシャ「だって、お菓子食べたら――キスの味、上書きされちゃうじゃないですか」

ライナー「上書き? ……いいだろ別に。それくらい」

サシャ「よくないですよ! ――いいですか? キスの味とお菓子の味が一緒になったら、絶対もっとおいしいに決まってるんです!」クワッ!!

ライナー「目の前で叫ぶなよ。ちゃんと聞こえてるから少し落ち着け」

サシャ「まだ確かめてませんけど、ユミルが言ってたことはきっと正しいんです。だっておいしいものとおいしいものを一緒に食べればもっとおいしいのは当たり前なんです。間違いありません!」グッ

213: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:06:11 ID:AVfikbKk

ライナー「……それで、上書きするのは嫌だ、と」

サシャ「そうです!」

ライナー「……馬鹿正直なのも考えものだな」

サシャ「へっ? えーっと……馬鹿ですみません」シュン

ライナー「……」

サシャ(ライナーってば、黙りこんじゃいましたね。……やっぱり、私の話はわかりにくかったんでしょうか)

サシャ(……人に何かを伝えるのって、難しいですね)

ライナー「なあ」

サシャ「なっ、なんでしょう?」ビクッ

ライナー「よくよく考えたら、いつもお前ばっかり味わってずるいよな」

サシャ「え? ……ああ、そういえば、そういうことになるんでしょうかね」





ライナー「というわけで、だ。――今日は俺がもらう。逃げるなよ?」ガリッ

サシャ「!?」ビクッ

214: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:07:17 ID:AVfikbKk

サシャ「……」

サシャ(――く、くち……くちが、くっついちゃいました)ドキドキ

サシャ(ここから何を、どうしたらいいんでしょう……? 離れたら私の負けになっちゃいますし……)

ライナー(……うーん、普通にキスしちまったな。どうするか)

ライナー(サシャから離れてくれないと、俺が勝ったことにならないんだよな)

ライナー(……どうせだから楽しむか)グイッ

サシャ「!?」

サシャ(なんで……なんで、ポッキーゲームしてたのに、ほっぺた触られてるんでしょう)

サシャ(こんなの味どころじゃないですよ一体何を考えてるんですかライナーは全く第一手が大きすぎるしなんだか温かいし気が散るっていうか)

ライナー(髪の毛伸びたなー)サラッ

サシャ「」

215: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:08:21 ID:AVfikbKk

サシャ「……」ペチペチ

ライナー「……」

サシャ「……」ペチペチペチペチペチペチペチペチ

ライナー「……いてて、わかったわかった」パッ

サシャ「……」ササッ

ライナー「腕叩くなよ。地味に痛ぇぞ」サスサス

サシャ「――なっ、なっ、なに、なにを……っ!」プルプルプルプル...

ライナー「今日は特別甘かったな。――ごちそうさん。うまかったぞ」

サシャ「かっ、顔……っ!」

ライナー「顔? 何かついてるか?」ゴシゴシ

サシャ「違いますよ! 顔、っていうか……み、耳を」

ライナー「耳?」

216: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:10:01 ID:AVfikbKk

サシャ「私の……私の耳! ……触った! 触った!!」

ライナー「片言になってるぞ」

サシャ「……触りましたね」

ライナー「髪が邪魔だったんでな。耳にかけただけだ」

サシャ「だからって…………耳のふち、なぞられたらくすぐったいんですけど」

ライナー「お前、耳弱いもんなぁ」

サシャ「……反則ですよ」

ライナー「ルールになかっただろ?」

サシャ「……ありませんでしたけど」

ライナー「反則だけど、お前が放せって言ったんだから俺の勝ちだな。――延長戦、やるか?」

サシャ「……次で最後ですからね」

ライナー「はいはい、わかったわかった」

217: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:11:16 ID:AVfikbKk

サシャ(……さっきから私ばっかり振り回されてる気がして不公平です)ムスッ...

サシャ(選ぶのは私なんですから、ライナーに嫌がらせしてやりましょう。どうせだから甘そうなものを……あっ、これなんかいいかもしれませんね)ガサゴソ

サシャ「最後はこれです! トッポ! チョコレート菓子ですよ!」ジャーン!!

ライナー「おお……っ! 面白そうな箱だな!」キラキラキラキラ

サシャ(あっ、逆効果)

サシャ「……」

ライナー「……」ソワソワ

サシャ「……開けます?」スッ

ライナー「やるやる」ワクワク

218: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:13:39 ID:AVfikbKk

ライナー「この箱は……開け方書いてないんだな。どうやって開けるんだ?」クルクル

サシャ「切り込みが色んなところに入ってますから、適当に爪でも引っかければいいんじゃないですか」

ライナー「なるほど」カリカリカリカリ

サシャ「……手が大きいと、細かい作業難しそうですよね。技巧の時間とか大変じゃありません?」

ライナー「そうでもないぞ。こういうコツコツした作業は嫌いじゃないからな」カリカリカリカリ

サシャ「その割には開かないようですが」

ライナー「昨日爪切ったばかりなんだ」カリカリカリカリ

サシャ「爪? ……あ、そろそろ私も切らないと」

ライナー「サシャ。爪貸してくれ」

サシャ「何を言ってるんですか。第一、切る道具なんてありませんよ」

ライナー「手ごとでいいぞ」ガシッ

サシャ「え、や、ちょっと!?」

219: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:15:16 ID:AVfikbKk

サシャ「や、やぁっ、何してるんですかぁっ!」ジタバタジタバタ

ライナー「こら、動くなよ。使いづらいだろ」ガシッ

サシャ「そんなこと言われても……って、押さえつけるのやめてくださいよ! 腕、腕が抜けちゃいます!」ジタバタジタバタ

ライナー「暴れるともっと痛いぞー」クニクニ

サシャ「ひゃっ!?」ビクッ!!

ライナー「ここでもないか……こっちはどうだ?」カリカリ

サシャ「やっ……、もっ、もういいですよ私が開けます! 開けますからぁっ!」バシバシ

ライナー「うーん、どうやって開けるんだ……?」カリカリ

サシャ「人の話無視しないでください!! やだやだ、放してくださいってば!!」ジタバタジタバタ

220: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:17:48 ID:AVfikbKk

―― 五分後

ライナー「おっ……おおっ! 開いた! 開いたぞ!!」ペリペリ

ライナー「なるほど……こういう時は爪より指の腹を使ったほうがいいんだな。勉強になった」

ライナー「この隙間からトッポが出てくるわけじゃないよな。ということはさっきの応用で……よし、開いた」パコッ

ライナー「袋は……二つか。開け方もプリッツに似てるんだな。なんだ、悩んで損したなー」ハッハッハ

ライナー「おいサシャ、やっと食えるぞ。嬉しいからって背中丸めて泣かなくても…………ん? 泣いて??」





サシャ「…………」グスッ

ライナー「」

221: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:18:56 ID:AVfikbKk

サシャ「……正座」

ライナー「はい」

サシャ「………………私は、道具じゃないです」

ライナー「すまん」

サシャ「私は! 道具じゃないんです!!」

ライナー「すみません」

サシャ「わ、私……やだって、やだって言ってるのに、むりっ、むりやりっ、押さえつけて、何回も何回も……」(※爪の話です)

ライナー「ごめんなさい」

サシャ「人を羽交い締めにしておいてぇっ……ライナーは私の身体(※爪)だけが目当てだったんですね……」グスッ

ライナー「!? 違う違う! そういうわけじゃない!」ブンブン

サシャ「……あれだけ私の身体(※爪)を弄んでおいて、よくもそんなこと言えますね」ジトッ...

ライナー「すみません」

222: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:20:06 ID:AVfikbKk

サシャ「……ふんだ」プイッ

ライナー「ほらサシャ、トッポやるから元気出せ。なっ?」フリフリ

サシャ「……食べ物で懐柔しようとしてません?」ジトッ...

ライナー「……はい、してます」

サシャ「…………ふーんだ」ツーン

ライナー「せっかく開けたのにいらないのか?」フリフリ

サシャ「……食べたいに決まってるじゃないですか」グスッ

ライナー「膝抱えて下向いてちゃ食えねえぞ?」

サシャ「……誰のせいだと思ってるんですか」グスグス

ライナー「すみませんでした」ヘコヘコ

223: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:20:56 ID:AVfikbKk

サシャ「…………決めました。ライナーは今から私の道具です。いいですね」

ライナー「道具? ……まあ、それで気が済むのなら構わんが」

サシャ「それはもう馬車馬のようにこき使ってやります。覚悟してください」

ライナー「食料庫から肉盗んでこいとか、そういうのはなしだからな」

サシャ「流石にそんなことはさせませんよ。……というわけで、足崩して胡座かいてください。ほら早く」

ライナー「胡座な、わかった」スッ

サシャ「えーっと、それで……トッポの袋開けてください」

ライナー「おう。……よし、開けたぞ」バリッ

サシャ「袋を利き手じゃないほうの手で持ってください」

ライナー「持った」スッ

サシャ「準備できましたね。――よいしょっと」ポスッ

ライナー「」

224: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:21:41 ID:AVfikbKk

ライナー「は? ……は!?」

サシャ「耳元でうるさいですよ」ムスッ...

ライナー「いや、でもお前…………これは」

サシャ「ライナーは私の椅子です。椅子は文句言っちゃダメなんです。言うこと聞いてください」

ライナー「……はい」

サシャ「ほら、椅子なんですからご主人様に甲斐甲斐しく尽くしてくださいよ。――トッポくださいトッポ」パカッ

ライナー「ああ、それで先に袋を開けさせたのか……ほらよ」スッ

サシャ「ふむふむ、はじめてにしては物わかりがいいじゃないですか」ガジガジ

225: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:23:55 ID:AVfikbKk

サシャ「どうです? 私を膝の上に座らせた感想は!! 道具扱いされるっていうのは悔しいでしょう? 悔しいでしょう!?」ドヤッ

ライナー「いや、これだと…………おしおきっていうよりはご褒美なんじゃ」ボソッ

サシャ「えっ、これご褒美になるんですか? じゃあ考え直さないと――」

ライナー「あーきついおしおきだなー! 困ったなー!」

サシャ「そうでしょうそうでしょう! やせ我慢はよくないですよ、せいぜい私の悔しかった気持ちを味わってください」フフン

サシャ「……あ、ほらほらトッポなくなっちゃいましたよ。次ください次」パカッ

ライナー「わかった、やるやる。――ほら、食え食え」ヒョイ

サシャ「ふんふんふーん♪」サクサク

ライナー(……まるで餌付けしてるみたいだな。もしくは子どもに菓子やってる気分だ)ウーン...

ライナー「……お前、もうちょっと懐く相手選んだ方がいいぞ」

サシャ「……? 椅子のくせに口答えですか? 生意気ですね」

ライナー「なんでもございません」ヘコヘコ

226: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:25:05 ID:AVfikbKk

サシャ「だいたい、ライナーは人のこと蔑ろにしすぎなんですよ。箱だの袋だのそういうものばっかり構って、挙げ句の果てに私を道具扱いして」ブツブツ

ライナー「……最後のは本当に悪かった。すまん」

サシャ「私は、ライナーを遊ばせるためにお菓子持ってきたんじゃないんです。一緒に食べるの、すっごく楽しみにしてたんです。それなのに、お菓子を食べるのは二の次で」ブツブツ

サシャ「おいしいものが目の前にあるのに、ずーっとお預けされる人の気持ちわかります? これを機に、ちゃんと反省してくださいよ?」

ライナー「……ん? お預けされたのが嫌で怒ってるのか?」

サシャ「……? そうですよ。当たり前じゃないですか」



ライナー「だってよ、今の言い方だと……ほっとかれたのが嫌で、拗ねてるように聞こえるんだが」

サシャ「…………」

227: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:26:07 ID:AVfikbKk

サシャ「……」

ライナー「……」

サシャ「ば、ばかですかライナーは。ちょっと自意識過剰なんじゃないですかっ」

ライナー「だよな。……お前の耳が赤いのも、俺の思い過ごしだよな」

サシャ「…………知りません」プイッ

ライナー「今度どっかにメシ食いに行こうな、サシャ」ナデナデ

サシャ「だったら…………とびっきり、甘いのがいいです」





おしまい

228: ◆H4iwFNXQsw 2013/11/21(木) 20:27:35 ID:AVfikbKk
というわけで芋けんぴ編後半+トッポ編終了 そしてもう追加はしません これにて番外編はおしまい!
書きながらお話考えたので、辻褄合ってないところとか誤字脱字とかは見なかったことにしといてください
っていうか息抜きで始めたはずなのにいつもと同じ量書いてるっていうね

取り敢えず本編の妄想自体は絶好調なので、お姫様抱っこや本編はもう少し待っててください
流れ自体はできてるのできっと月曜日前後には投下できる……はず たぶん

229: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 20:35:07 ID:mc8.6cdI
乙!かわいいー!

231: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 21:18:30 ID:amB7cqfA
乙!おまけもすごく可愛かったです
また楽しみにしてます!

引用元: サシャ「隠し味なんてどうでしょう?」

[ 2013年12月01日 20:00 ] [二次創作 サ行]進撃の巨人 | TB(0) | CM(0)
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